第288章

二人とも、もう息子が四人。婚姻届だってとっくに出している。確かに、結婚式は改めて挙げてもいい頃合いだった。

けれど島宮奈々未は、いまさら必要ないと思っていた。

「いいよ。形だけでしょ、面倒くさい」奈々未は肩をすくめる。「この子たち二人の世話で手一杯。最近はもう、自然に目が覚めるまで寝て、真っ暗になるまで寝て……何も考えたくないの」

「お姉ちゃん、式を挙げないなんてダメでしょ」実家側として、真っ先に噛みついたのは野呂栞だった。「やる、絶対やる。盛大に、どーんとやるべき」

栞がここまで乗り気なのが、奈々未にはどうにも怪しい。

案の定、次のひと言がそれだった。

「お義兄さん、結納金はい...

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